放射線の生体影響での確率的影響、DNAレベルの比較。これは定性的な比較。DNAの付近を放射線が通過すると、ある確率でDNAの損傷が起こる。これを3つに分類し、その後のDNA損傷の修復を比較する。1)体内の大部分は水なので、体内で放射線は、水をイオン化する。あるいは解離させる。すると、活性酸素が発生することがある。活性酸素とは.OHとかO2-とかH2O2などのこと。活性酸素は化学的に攻撃性が高く、DNAにアタックする。この結果、塩基損傷が起こることがある。しかしこの場合はDNA損傷の修復に成功する。2)放射線がDNA鎖を切断することもある。「一本鎖切断」は相手対の塩基が分かっており、やはりDNA損傷の修復に成功する。3)放射線の電離密度が高い場合、DNA鎖を2本とも切断することがある。「二本鎖切断」では対の両方の塩基が分からないので、不完全修復が起こる場合がある。この場合「細胞の自殺」(アポトーシス)が起こり生体は守られる。稀に癌細胞になることがあるが、体内の免疫機能が働き癌細胞と戦う。それでも負けることがあり発癌に至る。この図は、柴田徳思先生の講演資料から:http://bit.ly/gpkRkw