千丈の堤も蟻の一穴から崩壊するという。
完璧を期したつもりが、
思いがけない小さな綻びから脆くも破綻を招く。
世の中に、完全犯罪などというものはない。

市民を食い物に我が世を謳歌した死長と副死長。
春の夜の夢は終わりに近づきつつある。

竹原二丁目に住む網本トウ一という男。
「社長」のうかつな行動が起こした小さな波紋が、
市政、県政を揺るがす津波となって迫りくる。