月の写真を見たときにまず驚くのは、大気がないことによる空気遠近法の不在だ。ホドラーが描く山や湖もまた空気の不在(実際空気が薄いだろう)を感じさせる。ホドラーの描く風景画の透明感は、人間の生存不可能な場所の輝きに包まれている。